
GEが開発する小型モジュール炉(SMR)が、カナダのオンタリオ州で建設が承認されました。完成すれば、300メガワットのこの原子炉は約30万世帯分の電力を発電します。原子炉は2030年に稼働を開始する予定です。カナダのオンタリオ州は、世界初の小型モジュール炉(SMR)の建設を承認しました。これは原子力産業にとって大きな進歩です。
オンタリオ州当局は、GEバーノバ・日立ニュークリア・エナジーが開発中の小型モジュール炉(SMR)の建設を承認したと、Axiosが報じました。
BWRX-300と呼ばれるこの原子炉は、西側諸国で初めて稼働するSMRとなる見込みです。300メガワットのこの施設は、オンタリオ電力公社が運営する既存のダーリントン原子力発電所に隣接して建設され、約30万世帯分の電力を発電します。
ダーリントン施設への原子炉の建設が成功すれば、SMR技術の実現可能性とメリットを実証するプロジェクトとなることが期待されます。オンタリオ州エネルギー省は、G7諸国で初のSMRとなることを指摘し、このプロジェクトの重要性を強調しました。GEは、予備的な敷地整備は完了しており、本格的な建設工事はまもなく開始され、原子炉は2030年に稼働開始予定であると述べています。
ダーリントン施設には合計4基のSMRが建設される予定で、全基が2035年までに稼働開始予定です。プロジェクト全体の費用は209億カナダドル(約150億6000万米ドル)と見積もられています。オンタリオ州のスティーブン・レッチェ・エネルギー大臣によると、この計画は、2050年までに75%増加すると予測される電力需要に対応するための州政府の戦略の重要な部分を占めています。
レッチェ大臣は、「信頼性が高く、手頃な価格のエネルギーを確保することは、州と国の経済主権にとって不可欠です」と述べました。
アナリストたちは、小型モジュール炉(SMR)におけるこの画期的な進歩は、原子力エネルギーがエネルギー分野における次なる明確な長期的方向性になりつつあることの更なる証拠だと見ている。世界的なクリーンエネルギーへの移行が加速し、エネルギー需要が増加するにつれ、原子力エネルギー技術とサービス能力を持つ企業、特にSMR開発に注力する企業は、今後数年間で多くの投資家の注目を集める可能性が高い。